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此岸ヲ夢想シ彼岸ヲ憂ヒ
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2006/02/27

成層圏は寒かった

:: Diary-like ::

街中を歩いていたら,なにやら行列が出来ていた.

先頭のほうを覗くと,優しげな女性が苦しんでいる子どもに手をかざして,
何かつぶやいていた.

その女性がつぶやき終わると,
子どもは急に元気を取り戻して駆けていった.
親らしき人物がその女性に礼を言っているようだ.

まわりの人から話を聞くと,
どうやら,彼女には怪我や痛みを取り除く能力があるらしい.

それを聞いて,偏頭痛に悩まされていた私も
その行列の最後尾に並んでみた.

次々と奇跡が繰り返され,行列は短くなっていく.

私の番が来た.
女性は私に向かって,優しく微笑み,何も言うなというように
人差し指を唇に当ててから,ゆっくりと私に手をかざした.

女性は柔らかな声でつぶやいた.

  「痛いの痛いの飛んでゆけ〜.」

つぶやきが終わった瞬間,奇妙な浮遊感があったかと思うと,
ものすごい勢いで,私は上空30キロメートルまで飛ばされていた.

  (ああ,そういえば私は痛いやつだったな….)

思い出して流れた涙も成層圏の寒気によって
あっという間に凍っていった.

投稿者: 黒澤 司 : 2006/02/27 - 21:45

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コメント

随分寒いところに行かれたようで、風邪引きませんでしたか?
ここに書いているということは、戻って来られてるのですよね。
ふと、空を見上げたら、司さんが手を振っているのが見えた気がした…なんてことはないですね。

投稿者: ぴろ | 2006年02月28日 08:03

寒かったですが,何とか風邪は引いておりません.
戻ってくるのもだいぶ苦労しまして,土日を費やしてしまいました(笑).

成層圏に居たときには手を振る余裕などなく,
仕方ないのでずっと尻尾を振っていました.
ですから,ぴろさんの「司さんが手を振っているのは…」というのは,
気のせいですよ.

投稿者: 司@管理人 | 2006年02月28日 21:12

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