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此岸ヲ夢想シ彼岸ヲ憂ヒ
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Diary-like

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2006/11/21 - 07:48

運命の出会い

今まで「何か」になりたいと思っていて,その「何か」を探してきた.

だが,その「何か」はなかなか見つからず,焦りを覚えていた.

その焦燥は,今日,消え去った.

何故なら,私の目指すものが,まさに今日,見つかったからだ.

それは奇妙な出会いだった.

私がそれを見つけたのは,とある大手スーパーマーケットのロッカーの注意書きだった.

dangerous corpse

そのロッカーの注意書きの最後の言葉.「爆発物の危険物死体」.

突然の神託めいた出会いに対する驚きと,目指すべきものを見つけた安堵が私を包み込んだ.

私はそれを目指して,これから先,生き続ける.

…死ぬまで,それが達成されたか分からなかったとしても,私には目標が見つかったのだ.

今日は,それを祝おう.


写真は,本物です.
…って,爆発物の危険物死体って何やねんっ!

投稿者: 黒澤 司 : 2006/11/21 - 07:48 | コメント (0) | トラックバック

 

2006/07/10 - 23:11

策士,策に溺れる

まさか,あいつが裏で糸を引いていたとは思わなかった.

何日か前から何かおかしな状態だった.
だから,誰かに手を出させるために,策をめぐらせ,
わざわざ仕掛けを作ったのだ.

だが,よりによってあいつに裏で糸を引かれることになるとは,
私もついていない.これが天罰というものなのだろう.

恐れずに,自分で糸を引けばよかったのだ.
いくら歯がぐらついていて,歯医者に行くのが怖かったとは言え,
その歯を抜くために,糸を結び,自分の目の届かないところで誰かに引かせようと
玄関のドアの向こうに糸の端を放置した自分が,きっと愚かだったのだろう.

それがよりによって力自慢のあいつがドアの裏で情け容赦なく,
激しく糸を引くなんて,そして,ぐらついている割にこの歯が意外にもしぶとく,
頑固にも抜けなかったので,激しく引かれた糸に手繰られてドアに激突する
羽目になるなんて,誰が予想できただろうか?

おかげで昨日の夜から,私はドアのない部屋で生活を続けている.

投稿者: 黒澤 司 : 2006/07/10 - 23:11 | コメント (0) | トラックバック

 

2006/06/14 - 20:49

やる気スイッチ

チャイムが鳴ったので,玄関のドアを開けると,
セールスマンが立っていた.

 「スイッチいかがですか?」

スイッチを売ると言う.

 「スイッチ…って,スイッチですよね?」

よく分からないので,聞いてみた.

 「はい,スイッチです.いろいろそろってますよ.」

なるほど.スイッチを売るのか.納得した.

 「どんなのが人気ですか?」

 「そりゃ,もちろん,自爆スイッチ.」

 「…いらないです.ええと,何かこう,役に立つのって?」

 「じゃあ,これなんか.」

そういって,セールスマンが取り出したのは,
手のひらの半分ほどの大きさの水色のスイッチだった.

 「やる気スイッチです.試しに押してみます?」

 「いいんですか?」

 「いいですよ.ただし,試供品ですので,隣の家の人がやる気を出しますが.」

 「では,遠慮なく.」

ポチっとな,とスイッチを押すと,隣の家から奇声が聞こえた.

 「ひゃっほーーーい!」

そして,寝たきりだったはずのとなりのおじいちゃんが飛び出していった.

 「すごいですね.」

 「すごいでしょ?効果は1回だけだけど,これで1000円ポッキリ.」

 「あ,じゃあ1つください.」

こうして私は水色のやる気スイッチを手に入れた.
それが,昨日の話である.

そして,今朝,天気予報を見ていると,雨だという予報だった.
雨の日はみんな,やる気がでないものだろう.
そこで,さっそくやる気スイッチを押してみた.
ポチっとな.

すると,テレビの中の気象予報士さんが

 「ひゃっほーーーい!」

と奇声をあげて,走り去っていった.

すごい効果だった.
ちょっと嬉しかった.

投稿者: 黒澤 司 : 2006/06/14 - 20:49 | コメント (0) | トラックバック

 

2006/03/23 - 07:53

雪どけの季節

この地では,雪どけの季節である.

雪がとけるに従い,様々なものが雪の下から姿を現す.

先日は,うちの近所で,とけた雪の中から
氷漬けのマンモスが大量に発見された.

氷がとけるとマンモスたちはそれぞれ活動を開始する.

  あるマンモスは政治活動を.
  あるマンモスは慈善活動を.
  あるマンモスは部活動を.

その中でも,ひときわ目立つマンモスがいた.

そのマンモスは火山活動をしていたのである.
えらいこっちゃ.

投稿者: 黒澤 司 : 2006/03/23 - 07:53 | コメント (0) | トラックバック

 

2006/02/27 - 21:45

成層圏は寒かった

街中を歩いていたら,なにやら行列が出来ていた.

先頭のほうを覗くと,優しげな女性が苦しんでいる子どもに手をかざして,
何かつぶやいていた.

その女性がつぶやき終わると,
子どもは急に元気を取り戻して駆けていった.
親らしき人物がその女性に礼を言っているようだ.

まわりの人から話を聞くと,
どうやら,彼女には怪我や痛みを取り除く能力があるらしい.

それを聞いて,偏頭痛に悩まされていた私も
その行列の最後尾に並んでみた.

次々と奇跡が繰り返され,行列は短くなっていく.

私の番が来た.
女性は私に向かって,優しく微笑み,何も言うなというように
人差し指を唇に当ててから,ゆっくりと私に手をかざした.

女性は柔らかな声でつぶやいた.

  「痛いの痛いの飛んでゆけ〜.」

つぶやきが終わった瞬間,奇妙な浮遊感があったかと思うと,
ものすごい勢いで,私は上空30キロメートルまで飛ばされていた.

  (ああ,そういえば私は痛いやつだったな….)

思い出して流れた涙も成層圏の寒気によって
あっという間に凍っていった.

投稿者: 黒澤 司 : 2006/02/27 - 21:45 | コメント (2) | トラックバック

 

2006/01/30 - 20:05

ただ酔うために

久しぶりにお酒を飲みに行ってみた.

 「ええと…シングル,水割りで.」

数分後,出てきたのはずぶ濡れの成人男性だった.

聞くと,まだ独身だという.ああ,シングル(独身者),水割り,ね.

調子に乗って,追加オーダーしてみる.

 「シングル,ロックで.」

出てきたのは石化した女性だった.…石化?

残るのはやっぱり,アレでしょう.

 「じゃあ,最後.シングル,ストレートで.」

そう頼んだ瞬間,カウンターからの下から素早く出現した屈強な男に,
顎の下から突き上げるように殴られた.

 (それはストレートじゃなくて,アッパー….)

そう突っ込みを入れながら,綺麗な弧を描いて,宙を舞う私の姿は,
きっと美しかったに違いない.

投稿者: 黒澤 司 : 2006/01/30 - 20:05 | コメント (2) | トラックバック

 

2005/12/19 - 21:20

真剣勝負

今日の昼の出来事だ.

突然,ヤツに勝負を持ちかけられ,オレはそれを受けた.
オレは負けない自信があった.
だが,予想外に素早いヤツの動きに翻弄されっぱなしのオレは,
時がたつにつれて確実に追い詰められていた.

オレはヤツに後ろを取られ続けていた.
その状態がどのくらいの時間続いていたのかわからないが,
オレはまだ負けていなかった.
オレは一か八かの賭けにでることにし,敢えて一拍の間をとる.
その一拍の間にヤツがオレのすぐ背中まで迫り,手を振り上げているのを,
オレの鋭敏な感覚は察知していた.

オレの狙いはまさにこの瞬間だった.
このタイミングなら勝てるっ!
オレは確信を持ち,ヤツの拳から身をかわしながら,振り返りざまに気合を入れて叫んだ.

  「甘いっ!貴様の動きなど止まって見えるわっ!」

ヤツはそのまま手を振り下ろしてくるに違いない.
だが,ヤツはオレのその予想を裏切り,手を振り上げたままの姿勢でピタリと微動だにしない.
この瞬間,オレの敗北が決定した.

オレは潔く,ヤツに背を向け,最後の言葉をつぶやいた.

  「だるまさんが転ん…」

ヤツは余裕たっぷりに,手を振り下ろし,オレは敗北した.

投稿者: 黒澤 司 : 2005/12/19 - 21:20 | コメント (0) | トラックバック

 

2005/12/14 - 23:34

茶柱の行方

今朝,熱いお茶を入れた.


そのとき,丹下段平が叫んだ.

  立て,立つんだっ!ジョー!


君も叫んだ.

  た,ち,あ,が,れ 立ち上がれ 立ち上がれ ガンダム


斎場秀樹は歌った.

  ♪さあ立ち上がれよ,ヤングマンっ!

そうして,皆の応援を受け,静かに横になっていた茶柱が立った.

ハイジは喜んだ.

  クララが立った! クララが立ったっ!


私は呆然と立ち上がったその茶柱を見つめた.
すると,数秒後には茶柱の下方がら火炎が噴射され始めた.
そのまま見守っていると,病弱だった茶柱は若さの勢いで宇宙に飛び出し,真っ白に燃え尽きた.

残されたお茶は,何とは言えないが,何か大事なものを失ったような気の抜けた味がした.

投稿者: 黒澤 司 : 2005/12/14 - 23:34 | コメント (0) | トラックバック

 

2005/11/25 - 19:56

Street Fight?

今日,道端で片肌脱いだ遊び人風のお兄さんと,
まだ子どもの修行中の坊主が言い争っていた.

なんとはなしに,話を聞いてみる.

遊び人風のお兄さん「この桜吹雪,散らせるものなら散らせて見やがれぃっ!」
修行中の小坊主「わかりました.では,私が散らせるので,その桜吹雪を追い出してください.」

あー,あの2人ね.サインしてもらおうかと思いましたが,
取り込み中のようなのでやめました.

投稿者: 黒澤 司 : 2005/11/25 - 19:56 | コメント (0) | トラックバック

 

2005/11/04 - 19:08

Infinite Repeat

夕暮れ時の空を見上げていたら,一番星を見つけた

…と思ったら,少し離れた空に,明らかに一番星より早く光っていた星を見つけた.

その星は一番星より前に光っていたから,きっと零番星なのだろう

…と思ったら,少し離れた空に,明らかに零番星より早く光っていた星を見つけた.

その星は零番星より前に光っていたから,きっと(ピーエラーです.再起動します.)




夕暮れ時の空を見上げていたら,一番星を見つけた

…と思ったら,少し離れた空に,明らかに一番星より早く光っていた星を見つけた.

・・・

投稿者: 黒澤 司 : 2005/11/04 - 19:08 | コメント (0) | トラックバック

 

2005/10/25 - 21:53

Preparing for Halloween

そろそろハロウィンが近いというので,その手伝いを依頼された.

善は急げ,ということで恐山に居る知り合いに電話をかけようとしたら,止められた.

仕方ないので,六芒星を描いて,呪文を唱え始めたら,やっぱり止められた.

…今週末には,友人を迎えに,黄泉平坂(よもつひらさか)まで行って来ることにしよう.

投稿者: 黒澤 司 : 2005/10/25 - 21:53 | コメント (0) | トラックバック

 

2005/10/20 - 07:29

調理親父

昨日,通勤のために乗合馬車に乗っていたら,隣に座ったアメリカンに突然に話しかけられた.

  What comics do you like? (どんな漫画がすきなんや?)

私は,「クッキングパパ」という漫画をよく読み,結構,気に入っている.だから,答えた.

  I like cooking papa. (私は父親を調理するのが好きです.)

アメリカンはちょっとびっくり顔をした後で,気を取り直して,また話しかけてきた.

  ワタシニモチョウリホウオシエテクダサイ.

  ハナセルナラハジメカラニポンゴハナセアルヨ.


突っ込みどころはそこで良いのか….

投稿者: 黒澤 司 : 2005/10/20 - 07:29 | コメント (0) | トラックバック

 

2005/10/18 - 00:19

時を越えたボール

今日,道を歩いていたら,ボールが頭にぶつかった.
そのボールをよく見たら,なくしたと思っていた,私のボールだった.

どうやら,おととい,友人とキャッチボールをしているときに,
誤ってあさっての方向に飛ばしてなくしてしまったのが,
今日になって,たまたま私の頭に当たってしまったらしい.
たしかに,おとといのあさっては今日だから,計算はあっているが,
本人の頭に当たるのは珍しいことだろう.

それでひらめいたのだが,
正確にあさっての自分の方向に投げられるようになれば,
一時的に物を隠すのに役立つのではなかろうか?
明日からその練習しようと思ったが,
あさっての自分の方向に正しく投げられたかどうかは,
あさってにならないとわからないことに気づいた.
気の長い話である.
…私にはそんな気の長い話は向かないので,さっそく,やめることにした.
その技術の習得は,誰か別の人に任せることにしよう.

投稿者: 黒澤 司 : 2005/10/18 - 00:19 | コメント (0) | トラックバック